衆院原子力問題調査特別委員会は5月31日、専門的知見から助言を得るための「アドバイザリー・ボード」(会長=黒川清・元東京電力福島第1原発事故の国会事故調査委員長)に対し、原子力規制行政の在り方などについて参考人質疑を行いました。アドバイザリー・ボードは、国会事故調の国会に対する提言に基づき、特別委の助言機関として国会に設置されたものです。
日本共産党の笠井亮議員が、「福島第1原発事故から13年余たったいま、原子力規制行政として何が一番求められているか」と尋ねると、黒川氏は「透明性」と答え、鈴木達治郎・長崎大学核兵器廃絶研究センター教授は「独立性をきちんと担保していただきたい」と述べました。
原発を「最大限活用」するための昨年の原発推進5法案の審議をめぐって笠井氏は、推進官庁の経済産業省側から原子力規制庁に協議を持ち掛け、原発の60年超運転を可能にする原子炉等規制法の具体的な改定内容を協議していたのは「規制側が推進側の論理に取り込まれた『規制の虜(とりこ)』の再来ではないか」と指摘。黒川氏は「民主主義になってない」と述べ、鈴木氏は「規制庁のトップが経産省の方に占められ、そう見えるだけでも独立性に嫌疑がかかる」と指摘しました。
【「しんぶん赤旗」2024年6月1日付】