東京電力福島第1原発事故から11年9カ月が過ぎ、現地調査に入っている日本共産党国会議員団福島チームは23日、立地自治体の双葉、大熊両町を懇談に訪れました。
9月に新庁舎を町内に開設した双葉町は、事故前に約7千人いた居住者が約50人に。帰還意向調査で「戻る」が11%、「判断できない」「戻らない」が8割超です。伊沢史朗町長は「戻りたくないのでなく、戻りたくても戻れない」と告白し、戻れるよう住宅整備や企業誘致などを進めていると紹介しました。
町の85%が「帰還困難区域」のままです。国は特定復興再生拠点以外では住民の帰還意向があることを除染の実施条件としています。伊沢町長は「“除染して戻れる環境にするのが本筋”との声があり、もっともな話。被害者がちゃんと救済されることが原理原則、当たり前です」と全域除染を求めました。
大熊町では、島和広副町長らが応対。住宅や学校整備に加え、「全町避難で故郷を追われる痛みを経験したからこそ、気候変動で同じ痛みが生まれてほしくない」と温室効果ガス削減に力を入れる考えを示しました。
懇談には、笠井亮、塩川鉄也両衆院議員、岩渕友、仁比聡平両参院議員、神山悦子、吉田英策両県議が参加。笠井氏は「福島の事故がなかったかのようにする岸田政権の『原発回帰』方針を撤回させ、国と東電が事故収束・廃炉から暮らし・地域の再建まで責任を果たすよう求め、皆さんの復興の取り組みを後押しできるよう力を尽くす」と表明しました。
【「しんぶん赤旗」2022年12月24日付】