オーストリアの首都ウィーンで20日、翌日に開幕する核兵器禁止条約第1回締約国会議に向けた「国会議員会議」が開かれました。オーストリア議会と国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」の共催です。日本共産党の笠井亮衆院議員が出席して発言しました。
会議には16カ国から36人の議員が参加しました。「核兵器禁止条約国会議員声明」と「国会行動計画」を確認しました。
笠井氏は、ウクライナを侵略するロシアが核兵器使用の威嚇を繰り返し、使用の現実的危険があること自体が、「核抑止力」の無力な証拠だと指摘。禁止条約の規範力を生かして「核兵器のない世界」に向けて前進しようと訴えました。
核抑止力とは、いざとなれば広島・長崎のような非人道的惨禍を起こすことも躊躇(ちゅうちょ)しないというのが前提だと指摘。核の使用は核の報復につながり、「抑止力は誰の安全も保障しない」と強調しました。
笠井氏は、禁止条約参加国を広げるため、被爆者を各国議会に招いて被爆の実相を聞くなど、国会議員ならではの役割を果たすことを提案。日本共産党は禁止条約交渉会議に参加し、市民社会の一員として尽力してきたことを紹介し、「米国の同盟国の日本政府は抑止力の神話から抜け出し、大多数の世論に従って条約に参加すべきだ」と語りました。
笠井氏は、核兵器、気候危機、パンデミックの危機を乗り越えようと訴えました。
会議のコーディネーターは「重要な点に触れていただいた。被爆者を呼ぶ提案はとても良い」と応じました。
笠井氏の発言を受けて他の議員からは「被爆者を議会に呼ぶ提案は非常にいい。私も呼びたい」「プーチン大統領の核使用の脅しで核抑止は無力だ。今こそ条約に署名、批准のときだ」「軍事の論理でなく平和の論理が大切だ。予算は衛生、食料、気候変動対策に使うべきだ」などの声が出ました。
【「しんぶん赤旗」2022年6月22日付】