ODA改革で笠井議員主張
日本共産党の笠井亮議員は二十五日の衆院外務委員会で、「ODA(政府開発援助)改革」について、人道支援の比重が低く、日本の大企業支援に注ぎ込まれている問題点を指摘し、世界的に提起されている“軍事費を削って人道支援を”という方向に沿った改革こそ必要だと転換を迫りました。
政府は「ODA改革」として▽円借款▽技術協力▽無償資金協力―の三事業を、国際協力機構(JICA)の下に一元化しようとしています。
笠井氏は「飢餓・貧困から抜け出せない国々への援助の改善は、喫緊の課題だ」と述べました。
昨年の国連首脳会議は、先進国がODAを国民総生産比で二〇一五年までに0・7%へ引き上げる目標を確認しました。日本の現状は、それにはるかに及んでいません。笠井氏は「目標に近づくため、どう努力するのか」とただしました。
麻生太郎外相は「ただちに実行するのは、財政事情からできない」としつつ、「国際公約だから守っていかねばならない。改善されるべきところはある」と述べました。
またODA事業では、昨年、コスタリカへのODAで使途不明金が発覚し、九月の会計検査院の報告書でも、JICA関連などで六件が「適性を欠く」と指摘されています。笠井氏が「それ以外にはないのか」とただしたのに対し、外務省の別所浩郎国際協力局長は「その後、いくつかの事案が出てきている」と述べ、問題が拡大していることを明らかにしました。
笠井氏は、ODAが一元化されるJICAが適正に業務を行うようになる上で「政府の責任は重い」と指摘しました。(10月26日「赤旗しんぶんより)
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