日本共産党の笠井亮政策委員長は12日、NHK「日曜討論」に出演し、安倍政権が10月からの実施をねらう消費税10%への増税問題など後半国会の焦点について、各党の政策責任者と討論しました。(詳報)
日本経済と消費税増税をめぐる議論では、自民党の岸田文雄政調会長が、米中の貿易摩擦の行方は注視する必要があるが、日本経済は、内需、雇用、賃金ともに「堅調だ」などと主張しました。
笠井氏は、現実には消費税8%への増税で、家計消費は年25万円、実質賃金は10万円も落ち込んで政府自身も景気悪化の可能性を否定できなくなっている状況なのに、さらに10%に増税するという愚かな道に進んでいいのかが問われていると指摘。しかも米中貿易戦争が深刻化するもとで外需も不透明だと述べ、消費税増税による5兆円もの大増税は「日本経済の自滅の道」でしかないと強調しました。
岸田氏は、消費税を「引き上げられる環境整備の努力をしなければいけない」などと発言。野党からは「(経済の実態への)認識が非常に甘い。10月増税は凍結すべきだ」(立憲民主党の逢坂誠二政調会長)などといった批判意見が相次ぎました。
笠井氏は、景気悪化の中で消費税を増税した例は過去に一度もないと指摘。自民党の萩生田光一幹事長代行も景況感次第では増税の延期もありうると7月以降でも見送りが可能なことを認めており、「今からでも10%増税は中止すべきだ」と主張しました。
その上で「いま必要なのは家計を応援して、格差と貧困をただし、国民が暮らしに希望が持てる政治に切り替えることだ」と強調。最低賃金の大幅な引き上げ、国保料の抜本的引き下げ、年金の底上げなどの政策を語り、財源は大企業や富裕層に応分の負担を求めるなど消費税に頼らない別の道で行うべきだと提案しました。
【「しんぶん赤旗」2019年5月13日付、画像はNHK「日曜討論」より】