日本共産党の笠井亮政策委員長は5日、BSフジ番組「プライムニュース」で各党代表と「憲法改正」をテーマに討論し、安倍首相の狙う憲法9条への自衛隊明記が際限ない海外派兵に道を開く危険性を告発しました。
冒頭、自民党が掲げた「憲法改正検討4項目」のうち、教育の無償化が議論となりました。
笠井氏は「どの世論調査でも改憲が優先課題だという回答はわずか6%だ。憲法は国民が権力を縛るもので、国民が改憲議論を求めていないのに無理やり進めるやり方自体がおかしい」と、教育無償化を9条改憲の口実にする動きを批判。憲法26条と教育基本法は教育の機会均等と経済的地位による差別を禁じているとし「26条の精神に立てば、無償化は憲法が命じているところであり、法律でできる。財源を確保し法律でやるべきだ」と強調しました。
9条への自衛隊明記が議論となり、笠井氏は、集団的自衛権行使容認の安保法制=戦争法のもとでの自衛隊を憲法に書き込めば、9条2項は空文化、死文化すると批判。海外での武力行使が無制限で拡大し、戦争できる国になっていくとし「単に自衛隊を追認するだけにとどまらない」と批判しました。
自衛隊明記について希望の党の細野豪志憲法調査会長は「私としてはチャレンジしてみようと思う」と表明。安保法制についても北朝鮮情勢を理由に「選択肢を狭める議論はしない方がいい」と廃止に反対しました。自民党の中谷元・憲法改正推進本部長代理も北朝鮮に対する軍事的備えを強調し、細野氏の発言を歓迎しました。
笠井氏は、戦争は絶対だめだという立場で、北朝鮮への制裁強化と一体に「対話による平和的解決」をはかるべきだと主張。安倍政権が軍事的対応も含め米国の全ての選択肢を支持するとし、与党から敵基地攻撃能力や核武装を求める危険な発言まで出ていることについて「軍事力で対応したら大変なことになる。9条に基づいた外交力こそ発揮すべきだ」と力説しました。
【「しんぶん赤旗」2017年12月7日付】