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【12.07.12】被災地は“時計止まったまま”

原発事故は継続・深化、国は責任果たせ 笠井氏追及

 
 「被災地は“1年4カ月、時計が止まったまま”だ」。日本共産党の笠井亮議員は12日の衆院予算委員会で、福島原発事故の被害がいまだ継続・深化している福島県の実態を突きつけて国の責任ある対応を迫りました。
警戒区域が解除された今でも南相馬市小高区では、津波に襲われた車や船が転がり、壊れた家屋も手つかず、上下水道なども止まったまま。「帰宅しても何もできない」と自殺者まで出ています。

 笠井氏は、県内住宅60万7千戸の除染対象のうち計画8万8千戸に対し実績は2千戸にとどまり、賠償も東電が和解を引き延ばし、政府による線引きが持ち込まれていることを批判。「原発の被害はまだ継続・深化しているという立場にたって、除染・賠償・被災者支援を一体で行うべきだ」と主張しました。

 細野豪志原発担当相は除染費用について「国が全面的にもつ。個人でやられたものもしっかり対応する」と答弁。枝野幸男経産相は不動産賠償について「東電に任せることなく国が前面にたって総力をあげる」と述べました。

 さらに、笠井氏は国会事故調の報告書で「人災」と断じていると指摘。野田佳彦首相が「対応が十分でなかったところはある」というだけで「人災」と認めなかったことに対し、「国会事故調が明らかにした教訓は何も生かされていない。このまま再稼働した大飯原発を止めなければ、『人災』を再び繰り返すことになる」と強調し、「原発ゼロ」の決断を求めました。

原発比率の聴取会 質疑もなく形だけ
 さらに笠井氏は、将来のエネルギー政策の中で原発比率をどうするかについての全国11カ所の意見聴取会の時間がそれぞれわずか1時間30分、意見陳述は9人で質疑応答の時間すらなく、国民の声を聞く姿勢がないと追及。古川元久国家戦略担当相は、聴取会の開催時刻は参加募集締め切り日に発表したことを明らかにし、国民無視の姿勢が浮き彫りになりました。

 笠井氏は「国民的議論というなら、もっと時間をかけて全国各地であまねくやるべきだ」と主張。再稼働に反対する20万人もの人々が官邸前に詰めかけていることを紹介し、国民の声を聞いて再稼働は中止すべきだと求めました。

(しんぶん赤旗/2012年7月13日より)

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