衆院憲法審査会=各党が意見
改憲原案の審査権限を持つ衆議院憲法審査会(大畠章宏会長)が17日、開かれました。日本共産党の笠井亮議員は、「審査会が始動しなかったこの4年余り、国民が不利益をこうむった事実はない。国民は改憲を求めておらず、審査会は動かすべきではない」と主張しました。
審査会では、中山太郎元衆院憲法調査会長が参考人として出席し、調査会以来の経過報告だけでなく、「非常事態条項を緊急に議論すべき」として大震災に乗じて改憲まで主張しました。
各党が意見表明。民主党は「震災の復旧復興が最優先で、(憲法論議は)優先順位として相対的に下がるが、必要ないことはない」(山花郁夫氏)とする一方、自民党やみんなの党などからは改憲議論を開始することを求める意見が出ました。自民党の中谷元氏は、選挙権を18歳に引き下げる法改正など改憲手続き法が定める検討課題と、憲法審査を平行して論議するよう主張しました。
公明党の赤松正雄氏は環境権などを口実に改憲を進める「加憲」を表明し、憲法の審査に入ることを提起しました。
笠井氏は、憲法審査会は改憲を求めていない国民の世論や野党の反対を押し切り、度重なる強行採決によってつくり上げられたものと指摘。民主党政権になっても憲法審査会は始動させてこなかったと強調しました。
そのうえで、「『ねじれ国会』のもとで民主党が、国会対策のため自民党と一緒になって審査会を動かそうとしていることは、国民の厳しい批判を免れない」とのべました。
(しんぶん赤旗/2011年11月18日より)
◆審議録(PDF/bt_20111226164014.pdf)