外務委員会で笠井議員が主張
外務委員会参考人質疑=参考人も与野党も批判
中東ヨルダンへの原発輸出を促す日本ヨルダン原子力協定に関し衆院外務委員会は24日、参考人質疑を開きました。福島原発事故の収束もしておらず承認すべきでないとの意見が相次ぎました。
日本原子力研究所の青柳長紀元研究員は、原因究明も安全規制の見直しもこれからで、安全性を担保できないものを輸出することになると指摘。NPT(核不拡散条約)未加盟国インドへの輸出など検討課題も残されており、協定締結は不適切だと強調しました。
「環境・持続社会」研究センターの田辺有輝理事は、ヨルダンの建設予定地は世界有数の乾燥地域で冷却水確保が困難で、地震のリスク、人口120万の首都アンマンまで40キロなど問題点を挙げ、危険性を強調しました。
輸出支持の日本原子力産業協会の服部拓也理事長も、「水の確保はしっかりやる必要がある」「使用済み燃料の管理は50年ないし100年の中間貯蔵が妥当」などと問題があることを認めました。
笠井議員質問
日本共産党の笠井亮議員は、原発事故対応とヨルダンへの輸出の問題点、原発と再生可能エネルギーの将来展望について質問。青柳氏は「(米国の)ワールドウオッチ研究所の報告も原発は収れん・終息すると指摘し、再生可能エネルギーの流れが明確に出ている」と答えました。
民主党の阪口直人議員も質疑で「リスク管理が明確でない。安全な場所へ変更するべきだ」、自民党の秋葉賢也議員も「福島事故を受け、国内でどうするかという答えもでてない」と述べました。(しんぶん赤旗/2011年8月25日より)
◆審議録(PDF/bt_20111226163441.pdf)