国家補償の実現と認定制度改善を
(2010年10月22日「しんぶん赤旗」より)
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は21日、国会内で集会を開き、被爆者援護法改正による原爆被害への国家補償の実現と、原爆症認定制度などの改善を求めました。約100人が参加しました。
国家補償は日本被団協結成以来の要求ですが、被爆から65年たっても実現していません。原爆症認定をめぐっては、集団訴訟をうけて改定された新基準の枠内に入っている申請者が多数却下されるなど、却下事例が激増しています。
日本被団協は▽被爆者援護法を国家補償を趣旨とするものに改正する▽原爆症認定基準で積極的に認定する四つの病気に設けられた「放射線起因性(病気が原爆放射線によるもの)が認められる(場合に認定)」との制限を削除する▽がんは幅広く認定する▽新基準の運用改善にむけて厚労省との協議の場を設ける―など8項目の要請書を細川律夫厚生労働相あてに提出しています。(15日)
日本被団協は、集会に参加した日本共産党と民主、自民、公明、社民各党の議員にこれら要請項目の実現を求めました。共産党から笠井亮衆院議員(党被爆者問題委員会事務局長)、井上哲士参院議員が出席し、笠井氏が志位和夫委員長あての要請書を受け取りました。
院内集会に先立って日本被団協は、全国都道府県代表者会議を前日につづいて東京都内で開催、2日間の日程を終えました。集団訴訟の現状、非核三原則法制化を求める運動について報告がおこなわれ、法制化を要求する署名が約9万6000人分、意見書を可決した自治体が2県議会を含め162議会となっていることが紹介されました。
原爆被害の実相普及について、5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議に合わせて日本被団協が主催した、国連本部での原爆展で使った50枚のパネルなどを活用し、核兵器の非人道性を伝えようと呼びかけました。