ドイツ環境省・外務省から説明受け意見交換
【ベルリン=岡崎衆史】欧州諸国の地球温暖化対策を研究するための日本共産党調査団(団長=笠井亮衆院議員)は十日、最初の訪問地ドイツのベルリンで、同国環境省と外務省を訪問しました。原発、再生可能エネルギー政策、環境税、排出権取引制度など五つのテーマで計九人の担当者の説明を受け、意見交換しました。
環境省のゲオルク・マウエ環境・エネルギー・気候変動問題担当者は、ドイツが二〇二〇年までに温室効果ガスを40%削減する中期目標を実現するため、環境に配慮した産業づくりを進めながら、「短期ではなく長期的な利益を追求する考え方が社会に広がっている」と指摘。その上で、同国では「十五年前から経済が成長しても温室効果ガス排出増加と結びつかない状況が起きている」と説明しました。
笠井氏は、ドイツ社会の変化に関連して、温暖化問題の真の解決のために持続不可能な産業や消費のあり方を変更する必要性を指摘。マウエ氏はこれに賛意を示し、目標実現のためには、「産業界の自主的な取り組みに任せているだけでは不十分であり、政治主導の拘束力ある措置が不可欠だ」と述べました。
今年、主要国首脳会議(G8)議長国を務める日本に温暖化対策での役割を期待する声も出ました。
環境省で気候変動防止の国際政策を担当するウルスラ・フュンテス氏は「途上国を温暖化防止の国際的枠組みに取り込む上でも日本など先進国が役割を果たす必要がある」と述べました。
国際機関との協力を担当する環境省のベルトアクセル・スツェリンスキ課長は、原発の安全問題や燃料の安定確保の難しさから、エネルギー問題の持続可能な解決は、「原発ではなく再生可能エネルギーの増大にかかっている」と強調し、今後もドイツの脱原発政策の変更はないとの見方を示しました。(2008年3月12日/しんぶん赤旗より)