エネルギー関連施設を視察・懇談
【ミュンヘン=岡崎衆史】温暖化防止政策に関する日本共産党調査団(団長・笠井亮衆院議員)は十三日、ドイツ南東部のバイエルン州で、バイオマス熱・電気併給施設など再生可能エネルギー関連施設を視察し、州当局者らの説明を受け、懇談しました。
調査団は同日午前、同州州都ミュンヘン南郊のザウアーラッハ市(人口約七千人)庁舎でワルター・ギグル第一市長の歓迎を受けたあと、同市長とともに、市内のバイオマス熱・電気併給施設と採掘中の地熱利用施設を訪れました。
施設は、市民と市が出資や運営で中心的役割を担う有限会社が運営。二〇〇二年に稼働を開始した木質バイオマスを利用した施設は、現在、同市の六割の世帯に暖房用熱を安定的に供給し、二酸化炭素(CO2)排出量をこれまでより半減させたといいます。これまで欧州委員会や中国などの代表が施設の視察に訪れていますが、日本からは初めてだといいます。
調査団は午後、ミュンヘン市内で、バイエルン州農林省のルペルト・シェフター課長(農業・再生原料担当)から、食料生産とのバランスをとりながら、ナタネ油や木材などのバイオ燃料利用を進めている同州の再生可能エネルギー拡大の取り組みについて詳しい説明を受けました。
シェフター課長によると、バイエルン州は一九九〇―二〇〇七年までに二億二千六百万ユーロ(約三百五十五億円)を研究や木質バイオマス暖房補助に拠出。同課長は、現在は州内のバイオガス施設が千三百を超えるなど、バイオ資源の有効利用を通じて、「三十年来衰退してきた農林業に希望が持てるようになった」と語りました。(2008年3月15日/しんぶん赤旗より)
独の「環境首都」=フライブルク市視察
【フライブルク(ドイツ)=岡崎衆史】日本共産党の欧州温暖化政策調査団(団長・笠井亮衆院議員)は十四日、「環境首都」と呼ばれるドイツ南西部フライブルク市(人口約二十二万人)で、公共交通やエコ住宅などの現状を視察しました。
午前に訪れたフライブルク市役所では、同市を代表して、ベルンハルト・シェツレ・バーデンビュルテンベルク州議会議員兼フライブルク市議会議員が一行を歓迎。続けて市交通計画課のペーター・シック氏が交通政策について説明しました。
シック氏は、路面電車などの公共交通と自転車道路の拡大を通じて、一九八二年に市民の移動手段の26%だった自転車と公共交通の利用が、九九年には45%に大幅に増えたと述べました。
市はまた、二〇一〇年までに一九九二年比で二酸化炭素(CO2)排出を25%減らす独自目標を掲げるなどして、温暖化防止に取り組んできました。
調査団は午後には、フライブルク中央駅や市南部のボーバン地区(四千七百人が居住)を訪れました。
同地区は、住宅地域の端に二百四十台の車を収容できる二カ所の共同駐車場を設けるとともに、歩道や自転車道路、駐輪場を整備するなどして、車の多くを閉め出した住宅街をつくることに成功。熱電気併給施設による暖房供給や、太陽光発電の利用、断熱加工や三重窓設置による住宅の省エネ化も進められてきました。
案内をした都市計画の専門家、ユルゲン・ハートウィヒさんは、「『車のない』、子どもたちが安心して住居の外で遊べる持続可能な町づくりによって、生活の質が大きく向上した」と語りました。(2008年3月16日/しんぶん赤旗より)