衆院予算委員会分科会で質問
東京外郭環状道路(世田谷区―練馬区間、約16キロ)建設の問題で、日本共産党の笠井亮議員は28日の衆院予算委員会第八分科会で、住民からの強い批判や危ぐの声を紹介し、計画を再検討するよう求めました。
同計画は沿線住民の反対で1970年以来凍結されてきましたが、国と東京都が推進をはかり、都は地下化による都市計画の決定をこの16日にも強行しようとしています。笠井氏は70年の根本龍太郎建設相(当時)の「凍結宣言」やその後のいく人かの大臣による追認・国会決議など、国会での論議の積み重ねのある問題であることを示し、こうした重みのある問題としてのぞんでいるか冬柴鉄三国土交通大臣に認識をただしました。冬柴国交相は「経緯を重く受け止めて、地元の方々との話し合いを続ける」と約束しました。
笠井氏は、東京都が「2020年完成」とか2016年のオリンピックに間に合わせるなどとしていることをして指摘し、事業に責任をおう国としても完成年次を決めているのか追及。国交省道路局長は明らかになっていないことを認めました。笠井氏は事業主体と事業費の見通しをただし、整備手法によっては東京都の財政を圧迫し、「福祉切り捨てに追い打ちをかけかねない」と批判しました。
東京都は昨年12月に発表した「10年後の東京」と題する文書で、外環道の完成なしに「お盆や正月並みにスイスイ快適ドライブが実現」としています。笠井氏は「それなら外環道はいらないではないか」と述べ、国や東京都がかかげる「渋滞解消」という目的に根拠がないことや計画のずさんさを明らかにしました。
笠井氏はこの事業が市街地の地下に大深度で大型道路を作るという前例のないものであることを示し、地下水や大気への影響への懸念を指摘。国や都が「外環計画の意義がない、と社会的に判断されれば計画を休止することもあり得る」と住民と約束し、自治体も「今後も……こうした態度を堅持しつつ、最大限慎重な取り組みを」(三鷹市)と要望していることを述べ、これらに誠実にこたえるよう求めました。冬柴国交相は「地下水の保全や大気のモニタリング対策の検討を深め、住民参加の機会を充実させるなど、地域の意見を十分に聞きながら、真摯に対応していく」と明言しました。(会議録/bt_20070531183950.pdf)