衆院経産委 スマホ競争促進法可決
巨大IT(情報技術)企業のグーグル、アップルを想定し、禁止行為を規定するスマホ競争促進法案が、22日の衆院経済産業委員会で全会一致で可決されました。
日本共産党の笠井亮議員は、2020年に成立した「取引透明化法」は、経団連の要求に応じ自主性任せの「共同規制」にとどまる法律となったと指摘。日本共産党が当時、修正案で禁止行為の規定と課徴金の導入を求めたことを挙げ、「今回の法案は、▽国の適切な関与と規制のもと巨大IT企業に透明性・公正性の向上に責任を果たさせる▽不当行為の禁止事項を明記する▽違反行為への課徴金の規定を設けて抑止を図る▽EUを参考に独立・中立公正な監視機能を高める―という方向性か」とただしました。
自見英子内閣府特命担当相は「今お示しいただいた(通りだ)」と答弁。笠井氏は「わが党の修正案の方向性が、全体として今回の法案に反映されたと受け止める」と応じました。
笠井氏は一方で、本法案が準拠する欧州連合(EU)のデジタル市場法(DMA)に比べ、対象となる事業者やサービスが狭く、課徴金(制裁金)の上限もDMAが全世界売上高の10%なのに対し、本法案は国内売上高の10%だと指摘。さらに、EUは利用者の基本的権利を保護するデジタルサービス法(DSA)や個人情報などを保護する一般データ保護規則(GDPR)によって「横断的総合的に巨大IT企業を規制している」として、日本でも同様の規制が必要だと迫りました。
自見担当相は「(デジタル市場を巡る問題に)引き続き関係各省庁で適切に取り組んでいくことが重要」と答弁。笠井氏は「巨大IT企業や経団連など一部の少数者のためではなく、多数者のための経済政策に立ち戻るべきだ」と強調しました。
【「しんぶん赤旗」2024年5月23日】