廃止で暖房費・香典代も出ない
笠井議員が政府の見解ただす
「70歳以上の生活保護受給者の『命綱』だった老齢加算を復活せよ」――日本共産党の笠井亮議員は22日の衆院予算委員会で、同制度を廃止した政府の姿勢をただしました。
制度ができたそもそもの理由をただした笠井氏に、柳沢伯夫厚労相は、高齢者は、消化によい食品が必要だったり、厚着をするための被服費もかかるなど「それ以外の年齢の者と比べてのかかりまし分があることを根拠にしていた」と答弁。
笠井氏が「では今日、高齢者に特有、特別な理由は解消したのか」とただすと、柳沢厚労相は説明できず、「そういう仕組みでなくなった」「全体水準で比較したら、70歳以上の方が消費支出が少ない」などと答えました。
笠井氏は、高齢者の「冬でも暖房をつけられない」「同世代の葬儀が増えているが、香典代が払えない」などの悲鳴を突きつけ、「特別な理由や需要があってもお金がなくて消費できないのが実態だ」と指摘。そのうえで、高齢者の実態を「ミクロの事項」などとした柳沢氏の冷酷な姿勢を批判しました。
厚労省は、老齢加算の減額が始まった04年以降、3年間に1572件の行政不服審査請求が出され、「廃止決定の取り消し」を求める訴訟が10件起こされていると答弁。笠井氏は、「大変な規模だ」と指摘し、「受給者は、老齢加算があってはじめて、憲法25条の生存権、13条の『個人の尊厳』をかろうじて保障されていたのだ」と強調しました。そして、受給者の「命綱」だった老齢加算の復活を求めるとともに、それまでの間、実態の検証と速やかな代替措置を迫りました。 (2007年2月23日/しんぶん赤旗より)(会議録/bt_20070531183833.pdf)