都市緑地法改定案が、10日の衆院国土交通委員会で、自民、公明、立民、維新、国民などの賛成多数で可決しました。日本共産党とれいわは反対しました。
同日の質疑で日本共産党の笠井亮議員は「脱炭素都市づくり大賞」・国土交通大臣賞を受賞した東京・森ビルの「麻布台ヒルズ」が敷地の3割を緑地化した一方で、地元住民を追い出し、高さ330メートルの超高層ビルを建設しているとして、国は超富裕層しか住めない巨大再開発にお墨付きを与えるのかと批判。斉藤鉄夫国土交通相は「国の評価・認定基準は今後決める」と答弁しました。
笠井氏は都内の日比谷公園、葛西臨海水族園、篠崎公園、神宮外苑など「今ある樹木の大量伐採が大問題となっている」と指摘。伐採に歯止めをかけ、樹木を守ることに役立つ法案かと質問。斉藤国交相は、法案は個別の事業の是非を取り扱うものではなく、外苑再開発は「東京都が住民の意見も聞きながら進めている」などと開き直りました。笠井氏は「住民に知らされず進められている」と指摘。「いま必要なのは緑地保全のための規制強化だ。法案は住民の関与を弱め、規制緩和を進めるもので、緑地確保に名を借りた再開発支援法案だ」と述べ、廃案を求めました。
住民本位の緑地確保を 高橋氏提起 改定法案に反対 衆院国交委
日本共産党の高橋千鶴子議員は同日の討論で、同法案は「民間事業者の緑地確保の取り組みに、国がお墨付きと資金援助を行うことで、開発事業をいっそう進めやすくするための仕組みづくりだ」と批判しました。
高橋氏は、「市町村が策定してきた緑の基本計画を国や都道府県の言いなりにゆがめ、自主性を損ないかねない」「都市計画決定や事業認可の手続きを簡素化することは、住民の関与を弱めることになる」と指摘。「いま東京で住民が厳しく批判している神宮外苑再開発に何の歯止めにもならない法案が、いくら緑地確保をうたってもむなしいだけだ」と批判し、「開発業者の利益最優先ではなく地域住民が望む緑地確保へ」と政策を転換するよう求めました。
(「しんぶん赤旗」2024年5月14日付)