日本共産党の笠井亮議員は17日の衆院経済産業委員会で、経産省がスポーツ庁と共に「スポーツの成長産業化」を掲げて神宮外苑(東京都新宿区・港区など)の再開発推進の旗振り役になってきた責任を追及しました。
経産省は安倍政権が掲げた2025年までにスポーツ産業を15兆円の市場規模にする目標の実現のために17年成立の地域未来投資促進法でスタジアム・アリーナの新築・改修を推進し、19年のスポーツ庁の「新築・建替え構想」一覧にも神宮球場と秩父宮ラグビー場が含まれています。
経産省の茂木正・商務・サービス審議官は、同省とスポーツ庁が発行した「スタジアム・アリーナ改革ガイドブック〈第2版〉」に海外事例として米サンディエゴの野球場「ぺトコ・パーク」を記載し、再開発事業者も同球場を視察し、東京都も同開発の資料に記載していることを認めました。
笠井氏は、三井不動産等の事業者が都市計画公園の一部を廃止し、収益追求のために190メートル級などの高層ビル3棟を建てる計画に関連し、国交省の「都市計画運用指針」は、欧米諸国に比べ公園等の公共空地が不足している日本には、高い継続性・安定性が要請されており、区域の一部変更であっても、その必要性を「慎重に検討することが望ましい」と規定していると指摘。ところが、同再開発で建設される施設の7割弱がオフィスや商業施設になる上、大量の樹木の伐採をめぐり、外苑の緑を守れとの運動が急速に広がっているとして、「スポーツの成長産業化」のためなら100年の歴史を持つ外苑の緑が損なわれても仕方がないということかと迫りました。斎藤健経産相は「都・区・事業者が対応を協議する。コメントできない」などの答弁に終始しました。
【「しんぶん赤旗」2024年4月18日付】