原発回帰に大転換する原発推進等5法案(GX電源法案)が26日の衆院経済産業委員会で、自民、公明、維新、国民の各党の賛成多数で可決されました。日本共産党と立民は反対しました。同法案は原子力基本法など5本の法律改定案の束ね法案。原子力基本法に国の責務を明記することや、原発の運転期間の上限規定を、原子力規制委員会から経産省が所管する法律に移すことが盛り込まれています。すでに可決されたマイナンバー法等改定案と合わせ27日の衆院本会議での採決が狙われています。(関連記事)
日本共産党の笠井亮議員は反対討論で、原発の利用を「国の責務」とし、原子力産業界を支援する「原子力産業救済法」へと変質させるものだと指摘。「多くの国民が願う『原発ゼロ』への道筋をも断ち切ることになりかねない」と批判しました。
原発の運転期間延長をめぐり、原則40年を投げ捨て、運転停止期間も含めた60年超の運転を可能とすることは、「東京電力福島第1原発事故の反省と教訓に立った『推進と規制の分離』を踏みにじるものにほかならない」と断じました。原子炉圧力容器の設計寿命は40年で、原発が停止している間も経年劣化は進み「安全上のリスクは増大する」と主張しました。
また、「送電線の整備計画」が大手電力会社の意向を強く反映し、再生可能エネルギー導入拡大にはつながらず、原発や石炭火力を温存するものだと指摘。「破局的な気候危機回避には、もはや一刻の猶予もない」と強調し、再エネを最優先し、原発ゼロに転換することを要求しました
【「しんぶん赤旗」2023年4月27日付】