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【22.08.01】NPT再検討会議 きょうから/笠井議員、成功へ要請文

第10回核不拡散条約(NPT)再検討会議が1日、米ニューヨークの国連本部で始まります。これに日本共産党を代表して参加する笠井亮衆院議員は30日(日本時間31日)、現地に到着しました。笠井氏は出発を前に、会議成功のための要請文をグスタボ・スラウビネン会議議長(アルゼンチン)、中満泉・国連軍縮担当上級代表、核保有五大国、オーストリアなど核兵器禁止条約を推進する諸国、反核平和団体などに送りました。

要請文は、会議が、(1)被爆者らの声に真摯(しんし)に耳を傾け、核兵器使用の非人道性を共通認識とし、核兵器の使用もその威嚇も許されないとの明確なメッセージを発する(2)核兵器国を含めNPTの全締約国が条約の義務とこれまでの合意を再確認し、具体化、実行に踏み出すことなどを求めました。

ロシアがウクライナ侵略を続け核兵器使用の威嚇を繰り返し、他の核兵器国も核戦力の維持・強化を図るもとで、会議が「核兵器のない世界」への実効力ある行動に踏み出すことが切実に求められていると強調しています。

笠井氏は5日まで滞在し、各国代表団への働きかけなど行います。

NPT再検討会議への笠井議員の要請文(全文)

日本共産党の笠井亮衆院議員・党国際委員会副責任者が、第10回核不拡散条約(NPT)再検討会議に送付した要請文の全文は以下の通りです。

世界で唯一の戦争被爆国の政党として、第10回NPT再検討会議の開催を歓迎し、そのために尽力された全ての人々に敬意を表します。核兵器使用の現実的な危険が高まる今日の重大な情勢のもとで、格別に重要な意義を持つ再検討会議にあたり、日本共産党を代表して以下の要請を行います。

1.再検討会議が、被爆者や核実験被害者の声に真摯(しんし)に耳を傾け、核兵器使用の壊滅的な人道的結末―その非人道性を共通認識とし、核兵器の使用も、その威嚇も断じて許されないとの明確なメッセージを発することを求めます。

77年前、1945年8月6日と9日の広島と長崎への原爆投下が示すように、核兵器の使用は言語を絶する惨禍をもたらします。NPTも「核戦争が全人類に惨害をもたらすもの」であるとしています。この原点に立つことが、今日いよいよ必要になっています。

2.核兵器国を含め全てのNPT締約国が一致して、条約の義務とこれまでの合意を再確認し、具体化、実行に足を踏み出すよう求めます。

核兵器使用の危険を根絶する唯一の保証は、その完全廃絶です。NPTは第6条で、全ての締約国に核軍備縮小撤廃の交渉を行うよう義務付けています。これまでの再検討会議は、「自国核兵器の完全廃絶を達成するという全核保有国の明確な約束」(2000年)、および「核兵器のない世界を実現、維持する上で必要な枠組みを確立すべく、全ての加盟国が特別な努力を払うことの必要性」(2010年)を全会一致で確認してきました。今回の再検討会議が、条約第6条に基づく一連の合意を再確認し、具体化、実行することを強く求めます。

史上初めて核兵器を違法化した核兵器禁止条約の発効は、こうしたNPT再検討会議の合意の積み重ねのなかで実現したものであり、これを心から歓迎します。本年6月にウィーンで開かれた禁止条約の締約国会議は、同条約がNPT第6条の履行を前進させ、NPTを補完するものであることを再確認しました。この二つの条約を「核兵器のない世界」に進む「車の両輪」として前進させることは極めて重要です。

3.合わせて核軍縮の部分的措置を前進させることを求めます。

包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効、兵器用核分裂性物質の製造禁止条約(カットオフ条約)、核兵器の先制不使用、非核保有国への核兵器使用・威嚇の禁止、世界各地の非核地帯条約などとともに、1995年再検討会議で採択された、中東非核兵器地帯の創設を目指す決議の完全な履行も不可欠です。

ロシアがウクライナ侵略を続け核兵器使用の威嚇を繰り返し、他の核兵器国も核戦力の維持・強化を図っています。このもとで、再検討会議が「核兵器のない世界」への実効力ある行動に踏み出すことが切実に求められており、紛争の平和的解決を求めた国連憲章を擁護していく上でも、重要な貢献となるに違いありません。私たちは市民社会の一員として、諸国政府とも力を合わせ、会議成功のために尽力する決意です。

【「しんぶん赤旗」2022年8月1日付】

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