障害者「自立支援」法案は21日の衆院厚生労働委員会で実質審議に入り、日本共産党の笠井亮議員が質問に立ちました。笠井氏は、多くの障害者と家族、事業関係者の不安と怒りが集中している「応益負担」導入について「福祉を壊す仕組み」とのべ、障害者福祉の根本について厚労官僚との論戦を展開。参院で「サービスは買うものだ。それが新しい福祉の考え方」とのべた中村秀一社会・援護局長は「(発言が)不適切であるならば取り消します」と答弁を撤回しました。
「自立支援」法案は、現行(支援費制度)の収入に応じた「応能負担」を、利用したサービスの一割を自己負担とする「応益負担」(定率負担)に転換します。厚労省は自己負担増の総額を年間700億円と明らかにしました。
笠井氏は、手厚い福祉が必要な重い障害を持つ人ほどサービス利用をしにくくする仕組みと指摘。「ハンディキャップがあるからこそ、その差を埋める支援をしてこそ障害者福祉。買うものなどとはもってのほか」と批判し、発言の撤回を求めました。
質疑のなかで中村局長が「契約の主体として権利性を持ち、気兼ねなく利用できることが、これからの障害者福祉にとって適切」と発言しました。
笠井氏は「応能負担では気兼ねがあるとでもいうのか。障害者福祉の根本的理念にかけている」とさらに追及。「(応益負担なら)税金を払っていただく国民の理解を得られる」とする答弁にたいして、2週間で5000の署名を集め愛媛県から上京した障害を持つ中学一年生の手紙を読み上げ、「障害の現実を納税者に知らせ、障害者を応援していくことが政治の役割ではないか」とただしました。
(05年10月22日「しんぶん赤旗」より)
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