日本共産党の笠井亮議員は25日の衆院内閣委員会で、経済安全保障法案は米中覇権争いの中で米国の戦略に組み込まれていくものだと追及しました。
笠井氏は、2018年12月の政府調達に関する「申合せ」でIT設備の導入や維持・管理の際、「サイバー攻撃」「不正機能を埋め込まれる」などサプライチェーン(供給網)リスクに対応するための事前審査について、判断・審査基準も明確でないと指摘。法案により、このような予見可能性のない審査を重要インフラに指定された民間事業者にも広げるものだとして、「政府の恣意(しい)的運用がまかり通っていく。下請け・取引先企業を選別・監視することになる」とただしました。
小林鷹之経済安保担当相は「特定の下請け、取引先企業であることのみをもって機械的に判断することは想定していない」と答弁。笠井氏は、企業にとっては政府の顔色をうかがうものになると指摘し、「官民癒着の温床になりかねない」と批判しました。
また、笠井氏は19年4月には日米安全保障協議委員会(2プラス2)でサイバー攻撃が日米安保条約にいう武力攻撃に当たりうることを両国で確認していると指摘。1月21日の日米首脳会談後で閣僚レベルの経済版「2プラス2」の立ち上げにも合意していると述べ、「日米の連携を国内で推進するのがこの法案ではないか」と追及しました。小林担当相は、必要に応じて連携を図る一方で、「経済版『2プラス2』と経済安保法案は直接の関係はない」と繰り返し答弁しました。
笠井氏は「国民にとって喫緊の食料自給率やエネルギー自給率の向上こそ、しっかり図るべきだ」と指摘しました。