岸田文雄内閣が目玉政策としてかかげる経済安全保障法案が17日の衆院本会議で審議入りしました。日本共産党の笠井亮議員が質問に立ち、「経済安全保障」とは軍事・経済の両面で日本を米国の戦略に組み込むものではないかと指摘し、「緊張関係を一層高めるだけだ」と批判しました。(質問要旨)
笠井氏は、「経済安全保障」とは何か、「国家及び国民の安全を害する行為」とは具体的にどのような状況か、定義がないとただしました。岸田首相は、経済安保は日本の優位性獲得や基本価値などに基づく国際秩序の維持・強化を目標に総合的に経済政策を進めるものだとし、具体的にはサイバー攻撃を例にあげるだけでした。
笠井氏は、「経済安全保障」は経済を安全保障のもとに置き、軍事に組み込むことではないかと追及。経済・産業・知的財産・科学技術まで国の管理下に置くことは「無謀な戦争に突き進んだ戦前の国家統制そのものだ」と主張しました。
また笠井氏は、軍事・経済をめぐる米国と中国の覇権争いが先鋭化する中、1月の日米首脳会談で「経済版2プラス2」の立ち上げに合意したことに触れ、「『同盟国』の枠組みで敵国を想定し経済の力で脅すことは、歴史の教訓を顧みず、緊張関係を一層高めるだけだ」と強調しました。岸田首相は「主体的に国益を確保していく。米国などの同盟国との連携強化は重要だ」と答えました。
【「しんぶん赤旗」2021年3月18日付】