非核の政府を求める会は10日、「核禁条約発効から1年、NPT(核不拡散条約)再検討会議、TPNW(核兵器禁止条約)締約国会議へ―いま、被爆国政府のとるべき道」と題して新春シンポジウムを東京都内とオンラインを結んで開催しました。
原水爆禁止日本協議会の土田弥生事務局次長は、禁止条約第1回締約国会議とNPT再検討会議開催の年の世界の流れと被爆国の責務について報告。核保有5カ国の声明は、核兵器を維持する姿勢を示したと批判し、「核兵器禁止・廃絶へ国際社会の平和と安全を守るという国連安保理常任理事国の責任を果たすべきだ」と語りました。
明治学院大学国際学部の高原孝生教授は日本の核軍事同盟の危険と「核抑止力」論の欺瞞(ぎまん)と題して講演。核兵器を維持することで自らの国の攻撃性について国民を鈍感にさせ、まやかしの安心をつくり、伝染させていると批判。「人道的アプローチで核廃絶をしようとしている禁止条約は画期的だ」と語りました。
日本反核法律家協会の大久保賢一さんは“被爆地広島出身の首相”の核政策をただすと題して報告。岸田首相が禁止条約に反対する理由について、「難問で喫緊の課題ではない」と述べ、米国の「核の傘」に依存し続けており、「広島を知らない」と批判しました。
核兵器廃絶に向けて自分の役割を模索するKNOW NUKES TOKYOのメンバーの大学生は、昨年の衆院選に向けて始めた取り組みとして、国会議員に対し禁止条約への態度を直接聞き、結果をSNSで発信してきたことなどを紹介しました。
同会常任世話人で日本共産党の笠井亮衆院議員は人類的課題と日本の進路―新しい政治ひらく国民的共同いまこそ―と題して報告しました。参院選の年に禁止条約に参加する政府実現へ「まずは第1回締約国会議に日本政府を送りたい。被爆者・国民の思い一つに、国民的共同を広げていきたい」と語りました。
【「しんぶん赤旗」2022年1月11日付】