日本共産党の笠井亮議員は11日の衆院経済産業委員会で、建設アスベスト(石綿)の被害救済基金に関する新法成立(9日)を受け、基金に建材メーカーを参加させるために経産省が役割を果たすよう求めました。
笠井氏は、2008年の初提訴以来、最高裁判決(5月)までの13年間で、原告1200人の約7割が亡くなっていると指摘。新法を「画期的だ」とした上で、被害者の「命あるうちに解決を」の声に応え早期・全面救済するには、建材メーカーの基金への参加が不可欠だとして、「メーカー参加に道筋をつけるため、業界を所管する経産省はどう対応するのか」とただしました。
梶山弘志経産相は、新法成立を受けた厚生労働省との連携について、「事務方ベースで議論を開始した」と明らかにし、「スピード感をもって対応したい」と述べました。
笠井氏は、メーカーが参加する際に課題となる拠出金の負担割合をめぐり、「経産省の05年の調査で、89社の工場、製品ごとの製造期間が把握できている。過去のデータを総ざらいし、シェアの推計などで全建材メーカーに責任を果たさせるのが役割だ」と迫りました。
梶山経産相は「業界シェアなどのデータは負担割合を決めるのに参考となる」と認めつつ、具体策には触れませんでした。
【「しんぶん赤旗」2021年6月12日付】