衆院経済産業委員会が4日開かれ、北朝鮮に対する輸出入禁止という日本独自の経済制裁の延長が全会一致で承認されました。日本共産党の笠井亮議員は、前回19年4月の延長後も、北朝鮮が国連安保理決議に違反し、同国の核兵器開発と結びついた弾道ミサイルの発射を繰り返しており、北朝鮮をめぐる諸問題の平和的・外交的解決を図る手段として延長は必要として賛成しました。
採決に先立ち笠井氏は、5月の米韓首脳会談の共同声明が「これまで南北間や米朝間で結ばれた合意を基礎とした外交と対話こそが、朝鮮半島の完全な非核化の実現と平和の確立に不可欠だと再確認」したことへの日本政府の立場を質問。鷲尾英一郎外務副大臣は、北朝鮮に安保理決議に従い具体的な行動をとるよう求め、日米韓で緊密に連携すると答えました。
また笠井氏は、安保理決議が制裁措置の完全履行とともに、6カ国協議の再開を呼びかけていると指摘。日本政府として6カ国協議の枠組みをどう活用し北朝鮮に働きかけるのか、とただしました。鷲尾副大臣は、米バイデン政権も「北朝鮮との対話を通じて完全非核化をめざす」としており、6カ国協議の再開の可能性を含め、何が効果的か検討したいと答えました。
笠井氏は、国連安保理の対北制裁委員会の議長が昨年11月、北朝鮮の輸入監視を中国、ロシアが妨害していると批判したことをあげ、そうした国々への日本の対応を質問。梶山弘志経産相は、中ロを含む各国に安保理決議の完全履行を働き掛けると述べました。
【「しんぶん赤旗」2021年6月5日付】