日本共産党の笠井亮議員は14日の衆院外務委員会で、日英原子力協定の改定議定書によって、新型原子炉の共同開発がさらに進められる危険性を追及しました。東京電力福島第1原発事故を経験してもなお破綻済みの原発輸出にしがみつく政府に、「反省のかけらもないのか」と迫りました。
昨年12月に政府が署名した改定議定書には、これまで外務省が「原子力ビジネス展開が可能となる」としてきた「技術」の文言が盛り込まれました。笠井氏は、安倍前政権が2兆円の目標で原発をトップセールスしてきた実績を質問。江島潔経済産業副大臣は2018年に0円だったと認めました。笠井氏は、原発輸出が破綻したもとで新型原子炉の共同開発を進めようとしているのかただしました。
茂木敏充外相が「想定していない」とごまかしたのに対し、笠井氏は、菅政権の「グリーン成長戦略」が新型原子炉の分野で日本企業を積極的に支援するとし、経産省も「日揮」など企業名をあげて支援していると告発しました。
日英政府間の「原子力年次対話」の日本語訳が19年以降に公表されなくなった問題も追及。茂木外相は「(公表するかどうか)委員会で審議を」と無責任な答弁に終始し、笠井氏は「国民への説明責任を果たしていない」と批判。ドイツ環境省が新型原子炉にも反対し、原発維持による気候変動対策は「致命的な間違いだ」とする行動指針を公表したとして、「世界の流れは再エネ・省エネだ」とエネルギー政策の転換を求めました。
【「しんぶん赤旗」2021年5月15日付】