日立製作所は16日、英国の原発建設事業から撤退すると発表しました。2019年に計画を凍結して再開の余地を残してきましたが、採算の見通しが立たないと判断。同日までに日英両政府に撤退方針を伝えました。
日立は12年11月に英原発事業会社ホライズン・ニュークリア・パワーをドイツの電力会社から買収。英中西部アングルシー島に原発2基の建設を計画していました。
しかし、安全対策などに伴い事業費が想定以上に拡大。資金調達をめぐる英政府との協議が難航したたため、19年1月に計画を凍結しました。19年3月期連結決算では約3000億円の関連損失を計上しました。
日立は、事業の再建には英政府による支援が必要との立場を示していましたが、交渉に進展がない状態が続いていました。今後、英原発の建設と運営から撤退することになりますが、引き続き原発関連機器の納入は目指す考え。
【「しんぶん赤旗」2020年9月17日付】