日本共産党の志位和夫委員長は6日、被爆から75年を迎えた広島市を訪れ、被爆建築物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」を視察し、県の担当者から説明を聞きました。視察には、笠井亮、本村伸子両衆院議員、井上哲士参院議員、大平よしのぶ衆院比例中国ブロック予定候補、仁比聡平前参院議員、村上昭二党県委員長、辻恒雄党県議らが同行しました。
旧陸軍被服支廠は、1913年建造の鉄筋コンクリート造り、13棟があった倉庫のうち4棟が現存し、被爆時には救護所となり、県によると約3000人の被爆者がこの場で亡くなりました。このうち3棟を所有する県は昨年12月に2棟の解体方針を示したものの、見直しを求める世論に押され、「解体着工の先送り」を表明しています。県は1棟の耐震改修に33億円かかると試算しています。
志位氏は、原爆の爆風でゆがんだ扉などを視察。党市議から、近隣住民からも保存を求める声が出ていることなどの説明を受けました。
県の担当者から「県だけでの保存は難しい。国の支援もお願いしたい」と説明を受けた志位氏は「原爆遺構として歴史的価値のあるものだと実感しました。軍国主義時代の加害の歴史を伝えるものでもあります。後世に伝えるのは私たちの世代の責任です。先々のことを考え、国の責任で保存するよう、国に働きかけます」と表明しました。
【「しんぶん赤旗」2020年8月7日付】