香港での逃亡犯条例改定案反対の抗議行動の開始から1年となった9日、国会内で、香港市民に連帯する集会が開かれ、香港の若者の政党「香港衆志」の周庭氏や民主派区議会議員の葉錦龍(よう・きんりゅう)氏らがオンラインで現状を訴えました。日本共産党から笠井亮衆院議員と井上哲士参院議員が参加しました。主催は香港問題から国際的連帯を考える有志の会。
葉氏は、中国全人代が5月に香港への導入を決めた「国家安全法」について、デモが犯罪として取り締まられる恐れがあり、香港の「高度な自治」を保障した「一国二制度」を破壊し、経済的にも「国際金融都市としての香港の良さがなくなる」と批判。周氏は中国政府の介入について「人権の問題だ。人権は命の問題であり、人の尊厳の問題だ」と述べ、「私は23歳で、就職や夢の話がしたいが、何年間収監されるのかと考えるのは本当に悲しい。でも自分の家と人生、周りの人のためにも頑張らないといけない。香港市民の運動を見守ってください」と訴えました。
笠井氏は、周氏らの「メッセージを重く受止めないといけない」と述べて「国家安全法」の導入は「一国二制度」の有名無実化で人権抑圧の強化であって直ちに中止を求めると強調。同法導入に抗議した英オックスフォード大学長主導の署名に国会議員700人全員が署名すべきだと述べ、「日本国民一人ひとりが声をあげることが決定的で、中国に日本、世界は見ているぞと知らしめることが重要だ」と述べました。
笠井氏は「中国の人権侵害、大国主義・覇権主義は社会主義とは無縁で、共産党の名に値しない」と強調し、「今日の重大な人権問題は国際問題だ。日本政府がきっぱりした態度を取ることが重要だ」と述べました。
自民党の城内実衆院議員は「笠井議員の言う通りだ。人権問題は国際問題だ」と述べました。
【「しんぶん赤旗」2020年6月10日付】