笠井議員が反対の意見表明
「北朝鮮人権侵害問題対処法」を自・公・民で可決
衆院拉致問題特別委員会は12日、「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律案」(北朝鮮人権侵害問題対処法案)を自民、公明、民主の賛成多数で可決しました。日本共産党と社民党は反対しました。
日本共産党の笠井亮議員は、日本の主権を侵害した国際的犯罪行為である拉致問題と、北朝鮮の内政にかかわる「脱北者」問題を同列に扱い、政府に「施策を講ずる」ことは、「北朝鮮からの脱出の動きを促進することを国家の行為としておこなうことになり、内政問題への介入となる」と強調。国際的道理をもたない法律の制定は、拉致問題解決にとっても極めて有害であり、問題解決のためには、六カ国協議など外交的解決の努力を強めることが重要だと指摘しました。
笠井氏はまた、「わが国に保護を求めてきた脱北者を人道的に保護することは当然である」とのべるとともに、「かかる重要な法案を会期末に審議抜きで採択することは断じて容認できない」と意見表明しました。
同法案については、民主党が昨年につづいて今国会に「脱北者支援」を明記した法案を提出する一方、自民、公明の与党は「脱北者」に言及しない法案を提出し、両者で修正協議を続けてきました。
三党は九日に両案を一本化して今国会での成立をめざすことで合意。与党案を基本に、民主党が主張していた「脱北者支援」を盛り込み、十二日の委員会に日本共産党、社民党の反対をおしきって委員長提案として提出、質疑なしで採択しました。(しんぶん「赤旗」より)
「脱北者」問題使った圧力は外交交渉解決に大きな障害
笠井議員の意見表明(会議録/pdf)