日本共産党の笠井亮議員は10日の衆院経済産業委員会で、経産省が関西電力に出した業務改善命令を発出する手続きで虚偽公文書を作成していた問題をめぐって、電力・ガス取引監視等委員会(電取委)の書面審査にも問題があったことを明らかにしました。
経産省は3月16日、金品受領問題を起こした関電に業務改善命令を出しましたが、命令前に行うべき電取委からの意見聴取を怠ったため、事前に意見聴取を求めていたかのように装った文書を作成し、決裁をとっていました。笠井氏は、経産省の対応について、電気事業法違反と公文書偽造の二重の法違反だと指摘。関電にも経産省にも原発を動かす資格はないと厳しく批判しました。
さらに、笠井氏は、電取委のとった重大な対応を新たに告発しました。電取委事務局が5人の委員に出したメールでは「(業務改善命令の内容は)特に問題となる部分はない」などの意見が付けられ、結論を誘導しようとしていました。しかも、圓尾雅則委員からだされた「(関電の)現経営陣が業務改善命令を委ねるに足る者なのか判断がつきかねる。改善命令と同時に報告を求めては」などの意見を書面審査の結果に反映させていませんでした。
笠井氏は「こんな大事な意見がなかったことにされている」と、政府の対応をただしたのに対し、電取委の佐藤悦緒事務局長は文書に残していないことを認めました。電取委は、経産相の直属の機関です。笠井氏は「経産省ぐるみの疑惑隠しといわれても仕方ない」と追及。梶山弘志経産相は「いまの時点では言い訳できない」と答弁しました。
【「しんぶん赤旗」2020年4月11日付】