投稿

【06.06.02】「教育基本法」と「憲法9条」の改悪は一体の動き

「基本法改悪案」撤回を求める


「基本法は占領の残りかす」(安倍発言)をただす
 日本共産党の笠井亮議員は2日の衆院教育基本法特別委員会で、安倍晋三官房長官の教育基本法についての認識をただしました。安倍氏は幹事長代理時代のインタビュー(「自由民主」2005年1月4・11日合併号)で、「占領時代の残滓(ざんし=残りかす)を払拭(ふっしょく)することが必要です」と教育基本法改悪を主張していました。
 さらに、安倍氏も寄稿している清和政策研究会(自民党・森派)の『教育基本法改正へ5つの提言』では、「教育勅語が謳(うた)いあげている『目指すべき教育のあり方』が、けっして間違ったものではなかった」と書かれています。
安倍長官、発言改めず
 安倍官房長官は「制定当時に日本が占領下にあって影響を受けたのは事実。戦後60年の社会状況を踏まえて今回教育基本法を改正すると判断した」と述べ、自身の発言を改めませんでした。
憲法の理想を削除した「基本法」を批判
 笠井氏はまた、憲法と教育のかかわりにふれた現行法の前文の文章「われらは、さきに、日本国憲法を確定し…この理想の実現は、根本において教育の力に待つべきものである」をなぜ削ったのかと追及しました。小坂憲次文部科学相は政府案の「この理想を実現するため…教育を推進する」をあげて、「引き続きこの理想を継承している」と答弁しました。
 笠井氏は「そこは憲法の理想を指していない。全然違う」「憲法九条を変える動きと一体のものと言わざるを得ない」と批判しました。

「子どもの心が傷つく」
学力テストの危険性を指摘
 笠井氏は、政府が改悪法案に基づく「教育振興基本計画」で来年度から実施するとしている「全国一斉学力テスト」が全国の小中学校を順位付けする危険性を指摘しました。小坂文部科学相は「学校ごとに順位をつけて公表させるつもりはない」と答えました。
 笠井氏は、すでに学力テストを実施している東京都の実態をとりあげました。東京都は区市町村の順位を1位から49位まで一覧で発表し、ある区は独自の学力テスト結果の学校順位をホームページで1位から最下位まで公表しています。
 笠井氏は「子どもがクラブ活動の大会で他校の生徒から『あなたのところは一番ばかな学校なんでしょ』と言われたとか、『迷惑をかけるからテストの日は休んだ』という例もあって、子どもの心は本当に傷つけられている」と指摘しました。
 こうした中、愛知県の犬山市は2月に学力テストに不参加の意思を表明しました。笠井氏は「こういう自治体にはどう対応するのか」と質問。文科省の銭谷真美初等中等教育局長は「参加不参加の最終的な意思決定は市町村が行う」と答えました。
 笠井氏は「勝ち組・負け組をあおる政治が行われる中で、全国的な学力テストをやったら、順位付けが起こってくる。基本計画で学力テストを押し付ける改悪法案は撤回すべきだ」と迫りました。(しんぶん「赤旗」より)
 (会議録/pdf

PAGE TOP