日本共産党の笠井亮政策委員長は30日、NHK番組「日曜討論」に出演し、参院選公示(7月4日)を目前に各党の政策責任者らと討論しました。(詳報)
年金問題で笠井氏は、安倍晋三首相が共産党の志位和夫委員長との党首討論(19日)で、年金を減らし続ける「マクロ経済スライド」で年金給付を7兆円も減らすことを認めたことにふれ、基礎年金満額の人で年間24万円減など大変な事態になると同スライド制度の廃止を求めました。
年収1000万円以上は同じになる保険料の上限を健康保険並みに2000万円まで引き上げれば1兆円の財源が生み出せると指摘。さらに200兆円の積立金の活用や現役世代の賃上げと正社員化で年金収入を増やし、「まずは『減らない年金』に」と提案しました。
自民党の新藤義孝政調会長代理は「7兆円というのはそうではなく、志位委員長が総理との議論でマクロスライドをやめて1兆円で他のことができると言うから」などと事実と違う説明をしました。
笠井氏は「首相が言ったのは、『マクロ経済スライド』をやめたら7兆円が必要だと。つまり7兆円の年金を減らすということだ」と指摘。党首討論では志位氏がそれを廃止する手だての一つを短い時間で提案したのに「ばかげた案」(首相)などとする政府与党こそ現実を改める対案を示すべきだと批判しました。
憲法問題で、憲法審査会での改憲議論を求める与党に対し、笠井氏は「審査会は改憲原案を発議する場だ。国民多数は改憲を望んでいない。だからそもそも動かす必要はない」と強調。自民党の9条改憲案は海外での無制限の武力行使に道を開くものだと批判し、9条を生かした平和外交への転換を主張しました。
新藤氏は「憲法の運用解釈はもう限界だ。自衛隊は憲法のどこで認められるのか」と述べ、歴代自民党政府が自衛隊の海外派兵拡大などで違憲の状態を拡大してきた矛盾を露呈しました。笠井氏は「新藤さんは“憲法を変えないのはおかしい”というが、自衛隊を海外で武力行使する軍隊へと変えて戦争の道に突き進むことこそ危ない」と批判しました。
【「しんぶん赤旗」2019年7月1日付】