日本共産党の笠井亮政策委員長は20日の衆院予算委員会で、高額の国民健康保険(国保)料・税が全国の住民を苦しめていると指摘し、「抜本的な保険料引き下げを実現することこそ住民の命と暮らしを守り、最大の収納対策にもなる」と主張しました。
笠井氏は、年収400万円の4人家族(30代夫婦で子2人)のモデル世帯の国保の年間保険料は、東京特別区で42万6200円、大阪市41万9500円、京都市39万7400円、札幌市41万3500円に対し、協会けんぽでは20万円前後だと紹介。高額の国保料に全国の住民が悲鳴をあげていると指摘し、“国保を維持するには相当額の国庫負担が必要”との国保制度本来の理念にふれ認識をただしました。
安倍晋三首相は、公費負担で18年度から年3400億円の財政支援をしていると強調。笠井氏は、「なお保険料が高すぎるのが現状だ」と反論し、かつては給付費の6割あった国庫負担を5割に引き下げたことで、加入者の窮状が進んだと指摘しました。
笠井氏は、昨年7月に全国知事会、同11月に全国市長会もさらなる公費投入を提言したことにふれ「要請にこたえて協会けんぽ並みに引き下げるべきだ」と強調。根本匠厚労相は「今後も意見を伺う」と述べました。
笠井氏は、国保が要因で生活困窮に陥り、滞納を余儀なくされる例が全国で起こるなか、問答無用の差し押さえが横行していると指摘。一方、滞納者の相談にのり生活再建を支援する東京・足立区の例などを紹介すると、根本氏は「非常に参考になる」と答えました。
笠井氏は、国保の運用は「最悪の場合、命につながる。国保の滞納者に追い打ちをかける『北風』か、生活再建で払えるようにする『太陽』か、どちらがいいのか」と迫りました。安倍首相は質問に直接答えなかったものの、「命にかかわることは事実」と認め、「適切に運用されるよう各市町村への周知を徹底していく」と述べました。
【「しんぶん赤旗」2019年2月21日付】