笠井政策委員長が政策発表
日本共産党の笠井亮政策委員長は9日、国会内で記者会見し、小中学校の教員定数を10年間で9万人増やすことなどを柱とした党政策「教職員を増やし、異常な長時間労働の是正を―学校をよりよい教育の場に―」を発表しました。畑野君枝衆院議員、吉良よし子参院議員、藤森毅党文教委員会責任者が同席しました。(政策全文)
笠井氏は、教員の長時間労働が限界に達するもと、政府も「早急な是正」を掲げるが、肝心の教員増がないなど不十分だと指摘。直近の「過労死白書」で教職員の約8割が「業務に関するストレスや悩み」を抱えるとともに、教員増を求めていることをあげ「学校を安心して働き続けられる場にする一点での共闘を呼び掛けたい」と語りました。
政策は、1日12時間近くに上る長時間労働の背景に(1)国が教員を増やさず授業数を増やした(2)格差と貧困の広がりで学校の抱える課題が増えた上、全国学力テストや教員免許更新制、人事評価などの「学校改革」が拍車をかけた(3)公立学校の教員が法律で例外的に「残業代ゼロ」とされてきた―という「三つの根本問題」があると指摘。問題解決へ四つの提案をしています。
第一に、現在1日5~6コマとなっている受け持ち授業数を4コマを目安に減らし、小学校で週20コマ、中学校で18コマを上限とします。そのために小中学校の教員定数を10年間で9万人増やします。教員不足を招いている免許更新制は廃止します。
笠井氏は、教員定数を増やすための予算について「先進国最下位の教育予算の国内総生産(GDP)比を0・1ポイント上げるだけで確保できます」と強調しました。
第二に、学校の業務削減を国と自治体、学校現場の双方から推進すること。第三は、「残業代ゼロ」の例外扱いをやめ、残業代をきちんと支払い、残業時間を規制するなど、教職員の働くルールを確立すること。第四は、公立、私立学校での非正規教職員の正規化と待遇改善を進めることです。
笠井氏は、政策を野党各党に届けて共闘を呼びかけたいと表明。各地の教育委員会、教職員組合、PTA団体などにも幅広く政策を届けて懇談し、教員の長時間労働是正に向けて共同を広げたいと語りました。
【「しんぶん赤旗」2018年11月10日付】