日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)など5団体は18日、参院議員会館で「ノーモア・ヒバクシャ訴訟」の全面解決と原爆症認定制度の抜本的改善を求めて集会を開き、各党に要請しました。全国から130人が参加。日本共産党を代表して小池晃書記局長・参院議員が要請書を受け取りあいさつしました。
主催者あいさつした日本被団協の木戸季市(すえいち)事務局長は、原爆症認定制度の抜本的改善を求める「提言」を紹介。「裁判の全面解決で、高齢になった被爆者を裁判から解放してほしい。あわせて、核兵器禁止条約の発効へ奮闘しよう」と呼びかけました。
原告が次つぎに発言。愛知の高井ツタエさんは、「長崎で姉と同じ場所で被爆し、姉はがんになり、私は慢性甲状腺炎を発症しました。(2人とも名古屋高裁で逆転勝訴したのに)私だけが上告されたのはなぜ」と述べ、長引かされる裁判の不当性を訴えました。
ノーモア・ヒバクシャ訴訟全国弁護団の中川重徳事務局長は、国の認定基準をしりぞけ、ひろく原爆症と認定すべきとした一連の高裁判決を踏まえ、認定基準の改善を求めた「当面の要求」について説明。2009年に麻生太郎首相(当時)とかわした「裁判によらず解決をはかる」とする確認書の履行を求めました。
主催は、日本被団協、ノーモア・ヒバクシャ訴訟全国原告団、同全国弁護団連絡会、原爆症認定集団訴訟全国原告団、同弁護団全国連絡会です。
日本共産党の井上哲士参院議員、笠井亮、本村伸子の両衆院議員もあいさつしました。
◇党派を超えて取り組む/小池書記局長があいさつ◇
日本共産党の小池晃書記局長のあいさつ(要旨)を紹介します。
被爆から73年。原爆症認定について、ヒバクシャの願いに背を向けた態度をとり続けている政府を、みなさんとともに力を合わせて変えていきたい。核兵器禁止条約への日本政府による署名と核兵器廃絶のために力を合わせたい。
集団訴訟からノーモア・ヒバクシャ訴訟へと勝訴の流れができています。3月の東京高裁判決は、脳梗塞やバセドー病などについて放射線の起因性を認定し、高血圧などについても国の認定基準を超えて判断した画期的な判決です。
司法の判断をふまえ、ただちに認定基準を改め、「当面の要求」を実現させることが待ったなしです。抜本的な解決として、日本被団協の「提言」のように全ての被爆者に手当を支給し、障害の程度に応じて加算していくというのが最も合理的だと思います。
原爆症認定の早期解決へ党派を超えて取り組んでいきたい。公文書のねつ造、改ざん、セクハラなどこの間、野党が共同してヒアリングしています。認定問題でも厚労省を国会に呼んで、野党共同ヒアリングをすることを呼びかけていきたい。
【「しんぶん赤旗」2018年4月19日付】