日本共産党の笠井亮政策委員長は25日、NHK「日曜討論」に出演し、裁量労働の対象拡大などを含む「働き方改革」関連法案をめぐって各党の政策責任者と議論しました。笠井氏は、裁量労働に関する厚労省の調査データ捏造を批判し、「法案の前提が成り立たない。国会提出はきっぱり断念すべきだ」と主張しました。
笠井氏は、安倍政権の「働き方改革」に対して「全国過労死を考える家族の会」の寺西笑子代表世話人が「人を死に追いやる危険な働き方の拡大はやめてほしい」と訴えた(21日の衆院予算委中央公聴会)ことを紹介。安倍首相が裁量労働の方が労働時間が短いとして示したデータが捏造だったとして、「『働き方改革』どころか『働かせ方改悪』だということがますますはっきりした。でたらめなデータにもとづく法案を絶対に強行させてはならない」と強調しました。
笠井氏は「今求められているのは、働く人の命と権利、生活を守るための労働基準法の抜本改正だ」と述べ、残業は週15時間・月45時間・年間360時間までという大臣告示の法制化、終業から始業まで11時間は確保するインターバル規制などを主張。「世論の多数も、労働団体も、野党6党も一致して反対し、家族の会も涙ながらに反対を訴えている」と述べ、法案提出の断念を求めました。
他の野党も、データ問題について「単なるミスではない。捏造の疑いがある」「裁量労働制の現実を無視して(対象を)営業に拡大すれば過労死が増える」(立憲民主党の長妻昭代表代行)などと厳しく批判しました。
これに対し、自民、公明両党はデータ問題について「きわめて不適切で、納得いく説明をもらわねばならない」などと厚労省に“苦言″を呈しながら、法案の今国会成立を目指す考えを示しました。
【「しんぶん赤旗」2018年2月26日付】