「危険な原発輸出」笠井氏批判
インドへの原発輸出を可能にする日印原子力協定の承認案が12日、衆院外務委員会で自民、公明の賛成多数で可決されました。日本共産党、民進党、自由党、日本維新の会は反対。
日本共産党の笠井亮議員は反対討論で、唯一の戦争被爆国である日本が、核不拡散条約(NPT)に未加盟で過去2回の核実験を実施したインドと協定を締結することは、核保有国としてのインドのステータスを強め、核軍縮・核兵器廃絶という世界の流れにも逆行すると批判しました。
政府は、日本が提供した核物質が核開発に利用されない根拠として国際原子力機関(IAEA)の査察による「保障措置」をあげています。笠井氏は、同措置では民生用の施設は査察できる一方、軍事用の施設は査察できないことから、インドが日本から新たに得た分を民生用として利用し、独自に生産する核物質を軍事利用に回せば「日本の協力が結果としてインドの軍事利用に資することになりかねない」と指摘しました。
笠井氏は、協定文にはインドが核実験を実施した際に協力を停止する規定がなく、核実験への歯止めが曖昧だと強調。福島第1原発事故の原因究明も終わっていない中、「危険な原発の世界輸出を推進する政府の責任は重大だ」と批判し、原発輸出と国内原発の再稼働の中止、即時原発ゼロへの転換を強く求めました。
【「しんぶん赤旗」2017年5月13日付】