憲法の原則と両立しない/笠井政策委員長が会見
日本共産党の笠井亮政策委員長は30日の記者会見で、政府が同日決定した2019年の天皇の「代替わり」に伴う一連の儀式に関する基本方針について見解を問われ、憲法にもとづく国民主権や政教分離の原則に照らし大きな問題があるとして、根本的な見直しが必要だと表明しました。
笠井氏は、基本方針が「平成の代替わり」の式典の「基本的な考え方や内容は踏襲されるべき」と明記していることについて、「前回の儀式には、憲法に照らして重大な問題があり、『皇室の伝統』とも言えない」と指摘。日本共産党が、憲法の原則にふさわしい行事にすべきだと政府に申し入れ(22日)、とくに国事行為や国家的行事として行われた「剣璽(けんじ)等承継の儀」「即位後朝見の儀」「即位礼正殿の儀」「大嘗(だいじょう)祭」などの儀式が憲法の原則と両立しないと厳しく指摘したことにふれ、「前回の『踏襲』となると極めて大きな問題だ。わが党が提起した論点をどう検討したか、政府に説明を求めたい」と述べました。
さらに基本方針が「平成の代替わり」について「現行憲法下において十分な検討が行われた上で挙行された」としていることに言及。「前回は『昭和天皇の病状』などを理由に、国会をはじめ、開かれた議論は一切行われないまま、政府内で秘密裏に検討、決定された」と指摘し、今回は国会の全ての政党・会派による十分な議論の機会をもち、国民が合意できる内容にする努力をすべきだと述べました。
笠井氏は「一連の儀式までまだ1年以上、期間があり、従来のやり方を根本的に見直し、憲法に基づく国民主権と政教分離の原則にかなった新しいやり方をつくりだすべきだ」と強調しました。
【「しんぶん赤旗」2018/3/31付】