日本共産党の笠井亮政策委員長は13日の会見で、日米首脳会談(17、18両日)を前に、トランプ米大統領が同日、環太平洋連携協定(TPP)への復帰の検討を指示したことについて、「米側の要求に譲歩、約束を迫られ、農業などがまた犠牲にされることは絶対あってはならない」と表明しました。
笠井氏は「トランプ氏は再交渉の可能性もちらつかせ、『アメリカファースト(米国第一)』と米国製品の購入を日本に求めるなど、あらゆる分野で要求をストレートに押し付けようとしている」と指摘。「同盟関係の蜜月さを示して貿易自由化に突き進む安倍政権の路線は破たんしている」と批判しました。
政府・与党は、米国を除く11カ国による「TPP11」の早期発効を狙い、同協定承認案の17日の審議入りを提案しています。笠井氏は「TPP11は、2年前の国会で強行したTPPの“化身″だ。関税の撤廃・削減、輸入特別枠の設定など、市場開放する取り決めはTPPと何ら変わらない。多国籍企業の利益優先だ」と指摘。乳製品の低関税輸入枠の拡大や、「非関税障壁の撤廃」の名のもとに、食の安全や医療、雇用など国民生活のあらゆる分野で規制を取り払うものだとし、「TPP11が国民に与える悪影響を明らかにせず、批准に突っ走ることは絶対に許されない。審議入りすべきではない」と述べました。
笠井氏は「各国の食料・経済主権を守り、平等互恵の関係と投資ルールをつくることが必要だ」と語りました。
【「しんぶん赤旗」2018/4/14付】