核兵器廃絶と朝鮮半島問題で協力 笠井氏同席
日本共産党の志位和夫委員長は31日、来日中のベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席と都内で会談しました。両氏は核兵器禁止条約、朝鮮半島情勢、南シナ海、日越両共産党の関係強化などについて意見交換し、日越関係発展と世界・地域の平和のために協力をいっそう強めることを確認しました。
クアン氏は、訪日に際して志位委員長らと会えたことをうれしく思うと述べ、日本共産党が日本政治と国際活動で立場を強めていることを喜んでおり、今後のさらなる成果と成功を期待していると語りました。
志位氏はクアン氏の訪日を歓迎し、両国の友好関係の発展を喜んでいると表明しました。
志位氏は、核兵器禁止条約が採択された昨年の国連会議での協力に謝意を表明するとともに、ベトナムが10カ国目の同条約批准国になったことを歓迎。クアン氏が国家主席として原水爆禁止世界大会に連帯のメッセージを寄せていることに感謝するとともに、唯一の戦争被爆国である日本と、ベトナム戦争で枯れ葉剤の被害を受けたベトナムが、「核兵器のない世界」を目指して協力していきたいと語りました。
志位氏は、朝鮮半島情勢に関して、南北首脳会談や米朝首脳会談など対話による平和的解決の動きを大いに歓迎していると表明。これを成功させるためには、朝鮮半島の非核化と北東アジア地域の平和体制構築を一体で進めること、実践にあたっては段階的に履行することが現実的だという二つの点を関係国に要請してきたことを説明しました。
その上でクアン氏に対し、ベトナムが東南アジア諸国連合(ASEAN)の主要国であると同時に、韓国、北朝鮮、米国、日本と良好な関係を築いている国として、問題の平和的解決へのいっそうの尽力を要請しました。
クアン氏は、朝鮮半島問題の平和的解決と非核化を支持することがベトナムの一貫した立場であり、関係各国の努力を歓迎すると表明。また、ベトナムは国際社会の責任ある一員として、朝鮮半島問題の平和的解決のために努力し、貢献していきたいと強調しました。
クアン氏は、日越両国民の利益と地域・世界の平和と安定のために、国際的な共通の関心事や問題に関して両党が引き続き協力していきたいと述べ、南シナ海問題でのベトナムの立場を説明しました。
志位氏は、力による現状変更の動きに反対であり、南シナ海行動宣言(DOC)の立場で平和的な話し合いによる解決を強く望むと述べました。
会談の最後に志位氏は、日越両党関係は日本共産党にとって最も大事な関係の一つであり、その発展とドイモイ(刷新)の成功を願うと強調。クアン氏は、日本共産党が日本政治での役割を強めて成功することを心から願っていると表明しました。
両氏は理論交流など両党間の交流を引き続き活発に進めていくことを確認。ベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長のあいさつを志位氏に伝え、志位氏のベトナム訪問を招請しました。志位氏は、双方の都合の良いときにベトナムを訪問したいと答え、チョン書記長へのあいさつを託しました。
会談には日本共産党から小池晃書記局長、緒方靖夫副委員長、笠井亮政策委員長、田中悠書記局次長、畑野君枝衆院議員ら、ベトナム側からダオ・ビエット・チュン国家主席府官房長、レ・ホアイ・チュン外務次官、グエン・クオック・クオン駐日大使、グエン・トゥアン・フォン・ベトナム共産党対外委員会副委員長、チャン・クアン・ティエップ国家主席補佐官らが同席しました。
【「しんぶん赤旗」2018.6.1付】