日本共産党の笠井亮衆院議員は10日の衆院経済産業委員会で、経産省北海道経済産業局の幹部が北海道ニセコ町立ニセコ高校での公開講座の講師を講演直前に訪ね、原子力発電に関する資料の内容の変更を求めたのは教育への不当介入だと批判しました。
世耕弘成経産相は、介入を招いた「エネルギー教育モデル校」制度を2019年度以降廃止し、新規モデル校募集を直ちに中止すると表明しました。
笠井氏は、前川喜平前文部科学事務次官の授業への文科省の不当介入事件に続くものだと指摘。講師の山形定・北海道大学大学院助教が用意した東京電力福島第1原発事故の水素爆発時の写真や原発コストの資料について同局幹部が「特定の見方」「印象操作だ」と変更を求めたのは、「明らかに原発の広報推進の立場から圧力をかけた介入ではないのか」と追及。世耕氏は、講師を直接訪問し原子力の論点だけ指摘したのは「誤解や懸念を招いた」「大変遺憾だ。慎重さを欠いていた。真摯(しんし)に反省する」と述べました。
笠井氏は、同局が「原発を進める国の方針があるから」と変更を要求したのであり、「誤解」などではないと批判。町民にも怒りが広がっているとして、全国120の小中高のモデル校で同様の介入がないか徹底調査せよと要求しました。
世耕氏は、資料内容の確認を求めた例が道内で1件あるが、修正させた例は知らないとしつつ、他に同様の例がないか「よく確認したい」と答弁。笠井氏は「来年度以降ではなく、直ちにやめるべきだ」と主張し、まず山形氏や同高校、ニセコ町民に謝罪すべきだと迫りました。
【「しんぶん赤旗」2018/4/11付】