河野外相 軍事衝突の危険否定できず
北朝鮮が6回目の核実験を実施したことをうけ5日、衆院外務委員会で閉会中審査が行われました。日本共産党の笠井亮議員は、米朝両国の軍事的緊張がエスカレートするもとで、偶発的事態や誤算による軍事衝突が起こる危険が強まっているとして、これを避けるために「今こそ対話に踏み切るべきだ」と政府に求めました。
笠井氏は冒頭、北朝鮮が累次の国連安保理決議等に違反し、「国際社会が追求する『対話による解決』、核兵器禁止条約の採択など『核兵器のない世界』を求める大勢に逆らっている」と抗議しました。
笠井氏が、米朝間で軍事衝突が起こりかねない現実的な危険についての認識をただしたのに対し、河野太郎外相は、これを否定できず、「一方的に緊張を高めているのは北朝鮮だ」などと述べ、米国の核抑止力と、マティス米国防長官が、「数多くの軍事的選択肢がある」と述べたことを歓迎する姿勢を示しました。
笠井氏は、こうした日本政府の態度を厳しく批判。8月29日の国連安保理議長声明が、朝鮮半島内外の緊張の緩和と、「対話を通じた平和的で包括的な解決」を提起したことを指摘し、「米朝間の軍事的緊張がエスカレートすれば、当事国の意図にも反して軍事衝突が偶発する危険がある。『対話否定論』を改め、米国政府に対話に踏み切るよう説得すべきだ」「軍事衝突が引き起こされれば、日本に深刻な被害が及ぶ。絶対に避けなければならない。危機打開のために直接対話のルートを開くことだ」と強調しました。