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【17.08.11】陸自「日報」隠ぺい 国会閉会中審査

 

笠井議員 稲田氏・安倍首相の関与追及

 
南スーダンPKO(国連平和維持活動)に派兵された陸上自衛隊の「日報」隠ぺい問題をめぐり、衆院安保委員会は10日、閉会中審査を開きました。安倍晋三首相、稲田朋美元防衛相不在の質疑となり、隠ぺい疑惑は何ら解消されませんでした。

笠井亮議員は、日報隠ぺいに稲田元防衛相と安倍首相がかかわった疑いを追及。稲田氏は防衛省内で開かれた2月13、15日の会合で日報データの存在について報告を受け、了承した疑いがもたれています。

笠井氏は、特別防衛監察でも「(会合で)日報データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できない」としていることをあげ、その根拠をただしました。

小野寺五典防衛相は「(監察への)証言内容を明らかにすることにより、個人の特定につながる」と述べ、答弁を拒否。笠井氏は「監察を隠れみのにして国民への説明を拒否することは許されない」と批判し、「(日報の)説明を受けたことはある」(7月24日、衆院予算委)と答弁している安倍首相の関与を追及しました。

笠井氏は、岡部俊哉前陸幕長が陸自での日報データの保管を把握した翌日の1月18日に、防衛省の黒江哲郎前事務次官と豊田硬前官房長の2人が安倍首相と面会していることを告発。小野寺氏は「調べて答弁する」としか答えられませんでした。

特別防衛監察では、安倍首相に面会した後の1月下旬、黒江前事務次官が「陸自に存在する日報は、公表に耐えられる代物であるか不明と判断した」と記述。笠井氏は「安倍首相の指示・了解のもと日報隠ぺいを主導したのではないかという大問題だ」として、関係者の証人喚問を求めました。

日報廃棄は刑法(公用文書等毀棄罪)に抵触

笠井亮議員は、防衛省による日報の廃棄が、公用文書を不当に意図して廃棄することを禁じた刑法の「公用文書等毀棄罪」(258条)に当たる可能性があることを示し、事実の徹底解明を求めました。

公用文書等毀棄罪は、懲役3カ月以上7年以下の重い刑罰が科され、隠ぺいを指示した者も教唆犯として罰せられます。笠井氏は、日報問題に関する特別防衛監察では、陸自の複数の幹部が「行政文書としての日報の存在を確認しつつ」「意図をもって(不開示を)指導」し、「日報の廃棄を依頼・指示した」と認定していることを指摘。「日報問題は刑法違反に該当する疑いが濃厚だ」とただしました。

小野寺防衛相は「日報の管理に関しては十分でない点が多々あった」というだけで、罰則規定のない情報公開法違反、自衛隊法違反として済ます姿勢を崩しませんでした。

笠井氏は、稲田元防衛相が隠ぺいを了承した疑いがあることを指摘。「隠ぺいの事実さえ認めないあいまいな姿勢をとるのは、公用文書等毀棄罪に抵触することを避けるためだ」と厳しく批判しました。

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