衆院外務委 笠井氏質問/防衛省認める
防衛省は9日の衆院外務委員会で、アフリカの南スーダン共和国に展開する自衛隊のPKO(国連平和維持活動)部隊に、防衛相直轄で海外派兵を専門に担う陸上自衛隊・中央即応集団(CRF)傘下の部隊が毎回、複数参加していることを初めて認めました。日本共産党の笠井亮議員の質問に、若宮健嗣防衛副大臣が答弁しました。
笠井氏は、CRFの「司令部付隊」「中央即応連隊」「中央特殊武器防護隊」「国際活動教育隊」といった専門性・機動性の高い部隊が南スーダンPKOに派兵されているとの記述がCRFの広報紙などに掲載されていると指摘。若宮氏は「各方面隊の施設要員(工兵に相当)を中心に、中央即応集団を含む他の部隊からも一部派遣している」と答弁しました。
防衛省はこれまで南スーダン1次隊(2012年1月~)へのCRF派兵は公表してきましたが、2次隊以降(12年5月~)については各地の方面隊を中心に構成しているとするだけで、CRFの関与の事実を隠してきました。
CRF専門部隊の組織的派兵が明らかになったことで、自衛隊が戦争法の具体化を先取りして、道路整備などの施設業務にとどまらない、不測の事態への対処を想定している実態が浮き彫りになりました。
笠井氏は、CRFから南スーダンへ派兵している部隊名をすべて明らかにするよう要求。若宮氏は「主として国際活動教育隊だ。その部隊以外も行っているが、詳細は控えたい」としました。
笠井氏は、CRF自らが広報紙などで記載している派兵実績についてはすべて国会に明らかにして当然だと追及。若宮氏は「別途お答えしたい」と後日の公表を確約しました。