衆院予算委で笠井氏 再稼働中止を迫る
日本共産党の笠井亮議員は10月30日の衆院予算委員会で、安倍政権が、巨大噴火への備えも、合理的な避難計画もなく、九州電力川内原発の再稼働を進めていると指摘し、「再稼働はキッパリやめるべきだ」と迫りました。
笠井氏は、九電が巨大噴火を予知し、原子炉の核燃料を運び出すとしていることに対し火山専門家が、こぞって噴火予知も前兆現象の把握もできないと述べていると追及しました。安倍晋三首相は「九電は、噴火の可能性につながるモニタリング結果が観測された場合、必要な判断、対応をおこなう」などと言い張りました。
笠井氏は「専門家よりも九電を信頼するというのでは、まさに新たな『安全神話』そのものだ」と首相の姿勢を批判しました。
さらに笠井氏は、内閣府がまとめた「緊急時対応」には避難に要する時間が示されていないと指摘。九電は、川内原発で過酷事故が起これば19分後にはメルトダウンが起こり、90分で格納容器から放射能漏れが始まるとしているのに、「限られた時間内に避難ができると約束できるのか」とただしました。
首相は「緊急時の対応にこれで完璧ということはない」などと開き直りました。笠井氏は「何日もかかって避難している最中に放射性物質を浴びたら、被ばくする。避難計画が未完成なのに、『具体的』『合理的』などとはとてもいえない」と批判しました。
原発推進職員を派遣/避難計画の支援と称し
九州電力川内原発の再稼働にむけ、安倍晋三首相が、避難計画支援と称して原発推進の職員を現地に送り込んでいたことが10月30日、分かりました。日本共産党の笠井亮議員が衆院予算委員会で明らかにしたものです。
政府は、避難計画づくりの支援として内閣府の職員を鹿児島県に3人、薩摩川内市に2人派遣しています。笠井氏は、この5人がいずれも経産省との併任で「原発推進」を担当していたことを指摘。なかでも、派遣された筆頭職員は原子力発電立地対策・広報室長で、北海道電力泊原発のシンポで「やらせ」の依頼や動員要請を行ったとの理由で戒告処分を受けた部署です。
笠井氏は、川内原発の再稼働をめぐる地元説明会でも不自然な点が多すぎると参加者が受け止めていることをあげ、「(派遣した職員が)やらせ業務をやっているのか調べて報告すべきだ」とただしました。安倍晋三首相は「避難計画は大切だ。しっかり職務に精励するよう指示する」と答えました。
宮沢経産相保有の東電株/「手放すわけいかない」
日本共産党の笠井亮議員は10月30日の衆院予算委員会で、東京電力株を保有している宮沢洋一経済産業相が「東電を応援するような気持ち」などと述べていることを指摘し、経産相としての姿勢をただしました。
宮沢経産相は「しっかりやってもらわなければいけない会社の株は手放すわけにはいかない」などと弁明。
笠井氏は「東電といえば、福島県民にとって加害企業だ。東電株を保有し、支援するのは問題との自覚もないのか」と厳しく批判しました。