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【14.05.29】再稼働審査の新規制基準は“不備”

笠井氏質問 専門家が指摘

 
 衆院原子力問題調査特別委員会は5月29日、原発の規制のあり方について参考人質疑を行いました。政府が「世界で最も厳しい水準」とする再稼働審査の新規制基準に対して、専門家が“妥協”や“不備”を指摘しました。日本共産党の笠井亮議員が質問しました。

 井野博満東大名誉教授は、新規制基準の問題点を▽現実に妥協する基準にとどまっている▽世界で最も厳しい水準ではない▽多くの不備がある▽規制基準に適合すれば安全というのは論理の飛躍―と批判しました。

 このうち、原子力規制委員会の妥協については、「(原発事故時に使う)第2制御室などの5年間(の整備)猶予は、安全性の観点からは出てこない判断だ」と指摘。規制水準の低さについても、溶融した炉心を受け止める「コアキャッチャー」を欧州と違い加圧水型原子炉に義務付けていないなどと具体的に示しました。

 笠井氏は、再稼働申請中の原発への大量の地下水流入を示して、「規制基準に汚染水、地下水対策が入っていないが、どう思うか」と質問。井野氏は「地下水を評価してなかったのが、原発事故後に汚染が拡大した原因」と述べ、規制委が優先審査する九州電力川内(せんだい)原発でも地下水対策が重大だとしました。

 笠井氏は関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じた21日の福井地裁判決についても質問。井野氏は「裁判官の判断は市民の一般常識に立ったものだ」とし、原子力の専門家にも誤りや主観的判断があることを踏まえて市民に依拠した判決だと高く評価しました。

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