衆議院外務委員会で可決 笠井議員が反対
日米の治安当局間でもつ指紋データベース情報に自動照会できる枠組みをつくる「日米重大犯罪防止対処協定」が14日の衆院外務委員会で、与野党の賛成多数で可決されました。日本共産党のみが反対しました。
日本共産党の笠井亮議員は反対討論で、米国に提供される指紋は犯罪者のものだけでなく、無罪確定者や不起訴処分者、保護処分を受けた少年のものまで含まれると指摘。未遂・共謀・教唆などの犯罪類型も対象となり、その範囲がきわめて広いことをあげ、「国民の人権、プライバシー保護の観点から重大な問題だ」と強調しました。
採決に先立つ質疑で笠井氏は、共謀・予備が日本国内では処罰されない犯罪でありながら、提供の対象となるのかと質問。石原宏高外務政務官は「いわれるとおりだ」と答えました。
笠井氏は、国内で犯罪に当たらない行為まで自動照会で米国に指紋情報が提供されることになり、「人権上問題だ」と指摘。岸田文雄外相は「他国の協定と比べても人権やプライバシーに配慮したものになっている」と述べ、問題視しない姿勢を示しました。