ホワイトカラーエクゼンプション(適用除外）を批判

　 国際公約としている「年間1800時間」の労働時間短縮目標を政府が取り下げようとしている問題を、12日の厚生労働委員会でただしました。

　世界から批判をあびてきた日本の異常な長時間労働。政府が年間総労働時間を1800時間に短縮すると1988年以来、18年で19回も政府決定してきた——この尾辻厚生労働大臣の答弁には、委員会室からずいぶん多いなと声。ところが政府は、この根拠法である「労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法」（時短促進法）が2006年3月末で期限が切れるのに伴い、時短目標の閣議決定を廃止する「労働時間の設定の改善に関する特別措置法案」に変えようとしています。

　私が、労働時間短縮はすすんだのかと質問すると、尾辻厚労相は「1988年度2100時間、95年度1912時間、2004年度1834時間と短縮している」との答え。
「それはパート労働者を含めた数字。この数年、大企業はリストラで正社員を減らし、パートを増やしている。現実ではないマジックだ」と指摘し、正社員の総労働時間を聞くと、尾辻厚労相は、2001年度は1990時間、2004年度は2015時間と小泉内閣になって以来、年間平均で25時間も長くなっていると認めました。

　また、日本経団連が「年収400万円以上のホワイトカラーは、労働基準法の労働時間規制は外せ」と主張している問題にふれ、時短目標の廃止が財界の要求だと指摘。政府が「年間1800時間」への短縮の旗を降ろし、時短を“労使自治”に委ねようとしていることに対し、「これまでの努力をいっさい押し流してしまう道は断じてとるべきではない」と強調しました。