衆院外務委で笠井氏が批判、「憲法を踏みにじる」
外務省が11年ぶりに見直す政府開発援助の長期戦略(ODA大綱)で、ODAの活用範囲の軍事分野への拡大を検討することが明らかになりました。4日の衆院外務委員会で、日本共産党の笠井亮議員の質問に同省が答弁しました。
現大綱では憲法の精神をふまえ、「軍事的用途および国際紛争助長への使用を回避する」と原則を定めています。
この日の委員会で岸田文雄外相は「この原則を変えるつもりはない」と明言しました。一方、木原誠二外務政務官は「(大綱の見直しを議論する有識者懇談会で)安全保障を含めた面についても議論いただく」と述べ、軍事分野への活用も検討を進めることを認めました。
笠井氏は、昨年末に策定された国家安全保障戦略で、PKO(国連平和維持活動)とODAの連携や、「安全保障分野でのシームレスな支援」が明記されていると指摘し、他国の軍事要員をODAで育成するのかと質問。木原氏は「全てのケースで答えるのは難しい。紛争当事国で互いに交戦してきた組織に民生支援していく場面もある。それを軍事目的と言うか言わないかだ」と説明しました。
笠井氏は直接・間接を問わず、ODAの軍事分野への活用は「憲法を踏みにじり、日本の国際的信頼を損なうものだ。絶対にやってはならない」と批判しました。